人間の認識システムに沿った勉強の仕方。

脳の深い位置にある脳幹機能の網様体賦活系

 

網様体賦活系,勉強,学習

 

網様体賦活系(RAS)とは?

 

簡単に言えば脳幹にある網様体から
脳の全体に影響を及ぼす仕組みをいいます。

 

基本的には覚せい状態と睡眠状態時の制御に関わるものとされていますが
それだけではありません。

 

人間特有の高度な思考をするための機能を持つ
前頭前野にも影響があると言われています。

 

つまり、無意識によって意識が強く影響を及ぼしているということになります。

 

言い換えると、内臓の働きや免疫系などだけではなく
理性的に考えていると思っている事さえ、コントロールされているわけです。

 

もちろん、脳全体なので、記憶に関する海馬や側頭葉などの部位にも影響します。

 

 

興味のある事かつ、知っている事しか認識できない

 

網様体賦活系の説明でよくされる例を挙げれば
あなたが男性で、嫁さんが妊娠したとしましょう。

 

そうなったとき、町を歩いてみると普段視界には入っていたのに
認識してなかった妊婦の人がよく目につくようになるということです。

 

また運転免許を取って、初めて車を買った後などは
普段は全然気にならなかった自分と同じ車種が
よく目につくという形で表れてきます。

 

つまり、視界には入っているけれども
実はほとんど見ていないということです。

 

無意識レベルで認識することも勝手に選んでしまうということですね。

 

昔を想像すれば、理解しやすいと思いますが
原始時代などでは一瞬の判断で命とりになる場合がありました。

 

そのことから、自分と似ているモノや危険だと記憶しているものを
瞬時に認識できるようにこのシステムは有効に機能してきました。

 

安全か危険かの二択を瞬時に判断するために
認識の焦点を絞る際には有効だったので、
認識能力の制限が一概に悪いとは言えません。

 

網様体賦活系と勉強の関係性

 

新たな分野を勉強する場合

 

この場合は過去の経験や知識に基づいて
理解しようとするので、知識が乏しい時は
理解ができないという状況に陥ってしまいます。

 

なので、少しずつ慣れていき積み重ねる必要があります。

 

このことから復習や繰り返すことの重要性が再認識できると思います。

 

また簡単なことから、だんだん難しくしていくという
基本的なセオリーを裏付けるものですね。

 

すでにある程度詳しい分野を勉強する場合

 

この場合は逆に理解はできるかもしれませんが、
解釈が自分好みになり過ぎて、新しい発想ができないということに陥ります。

 

資格試験などでは基本的に解釈の仕方には
模範解答が存在しますが、
ビジネススキルだったり、良いアイデアを思いつくための
勉強・情報収集の場合にはあまり好ましくありません。

 

専門家がよく陥る罠でもあります。

 

なので、資格を取った後を考えた時を考えるならば
念頭に置いていた方がいいと思います。

 

網様体賦活系の機能を上手に利用するテクニック

 

目標設定や目的を明確にする

 

興味のある事を目標に持っていくことで
目標を達成するための情報が自然に目に入ってくるという方法です。

 

また、勉強する時にも目的を明確にして
しっかりとノートに書き込んだ後に勉強をし始めましょう。

 

心構え

 

知っていると思ったら成長が止まる

 

という心構えを持って、毎日のように声に出してみたり
紙に書いて心に刻み込みましょう。

 

先程知っていることしか認識できないと述べましたが
それと同時に興味がなければいけません。

 

すでに知っていると無意識レベルで判断すれば、重要度が低くなり、興味が薄れてしまいます。

 

その結果、スルーしてしまうということになるのです。

 

なので、この心構えを常に意識に置いてみてください。

 

メリットを強くする

 

勉強していることに対して、それを学べばそのようなメリットが
あるかを紙に書きだしてみてください。

 

特に大げさな表現で感情が揺れ動くレベルのメリットを考えてください。

 

そうすれば、難解で味気のない用語や理論でも
興味深く学ぶことができるようになります。

 

以上がテクニックです。

 

網様体賦活系は直接コントロールできませんが
間接的に工夫すれば、上手に活用できます。

 

自分なりの工夫を考えてみるのもいいかもしれません。

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